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美術工芸品

神戸の美術工芸品

絵画、彫刻、書跡・典籍、考古資料といった動産の文化財を美術工芸品と呼んでいます。これらは、寺社に古くから伝わってきた仏像や寺宝だけではなく、博物館に所蔵されているコレクション、そして発掘調査等により発見されたものです。

絵画

仏像や曼荼羅などの仏画が多く、室町時代の山水図、外国文化の影響を受け描かれた安土桃山時代の南蛮美術などもあります。須磨寺として知られている須磨区の福祥寺や西区の太山寺などの寺院には多くの仏画が伝わっています。それ以外にも、博物館所蔵のものも多く、東灘区の香雪美術館に所蔵されている雪舟筆の山水図(国指定)や、中央区の神戸市立博物館に所蔵されている聖フランシスコ・ザビエル像(国指定)などをはじめ有名な作品があります。

彫刻

木造の仏像が多く、如来・観音・菩薩・明王など様々な種類があります。古いものでは、中央区の大龍寺に伝わる木造菩薩立像(国指定)があり、北区の無動寺や西区の太山寺などの古刹に平安時代から鎌倉時代の優れた作品が多く伝わっており、神戸の仏教文化の質の高さがうかがえます。
また、須磨区の綱敷天満宮には、伎楽と呼ばれる芸能に使用する平安時代のお面(市指定)が伝わっています。同じようなものは少なく、非常に珍しいものです。

書跡・典籍

書跡は、古い時代の人々の筆による書で、典籍は古い書物のことを意味しています。灘区の忉利天上寺や西区の太山寺などの古刹に平安時代の経典が納められています。また、美術的な価値も高いことから、東灘区の白鶴美術館や香雪美術館といった美術館にも収蔵されています。特に白鶴美術館に収蔵されている賢愚経残巻(大聖武)は国宝にもなっています。

考古資料

考古資料は、発掘により地中から発見された資料のことで、工芸品や彫刻などいろいろな種類があります。白鶴美術館には、中国殷王朝の王墓で出土したと伝えられる有数の青銅器コレクション(国指定)があります。また、それ以外に神戸市内で発見されたものも多く、神戸市立博物館に所蔵されている桜ヶ丘銅鐸・銅戈群(国宝)をはじめ、西区の神戸市埋蔵文化財センターに所蔵されている灘区の西求女塚古墳出土青銅鏡(国指定)や垂水区の五色塚古墳・小壺古墳出土の埴輪(国指定)などは、美術品としてだけでなく歴史的にも貴重な資料です。

その他

これら以外も陶磁器や刀剣などの工芸品や神戸外国人居留地計画図(市指定)などの歴史資料、五輪塔をはじめとした石造物などが伝わっています。