神戸の天然記念物
学術上価値の高い動物、植物、地質・鉱物(地殻変動など自然現象により生じた特徴的な地形・地層地盤・鉱物など)とそれらが存在する地域のことを天然記念物と呼んでいます。
地質・鉱物
国指定の天然記念物は、長田区の丸山衝上断層です。この断層は、六甲山地を形成している花崗岩がそれを覆っているはずの神戸層群の上に逆に衝き上げている逆断層です。東灘区の渦ケ森スラスト(県指定)とともに今から70万年から20万年前にかけて起こった六甲変動と呼ばれる六甲山地の隆起の貴重な痕跡です。
植物
植物については、灘区の神前の大クス(県指定)、東灘区の弓弦羽神社のムクノキ(市指定)、灘区の妙善寺のソテツ(市指定)、長田区の長田神社のクスノキ(市指定)、須磨区の白川の石抱きカヤ(市指定)などがあります。いずれも樹齢100年~500年の巨木で、地域のランドマークとして親しまれています。ただし、指定を受けている樹木は高齢で、平成29年(2017)に、台風により東灘区の鷺の森のケヤキ(当時市指定)が倒れてしまったことがあり、注意深く見持っていく必要あります。
植生については、西区の太山寺の原生林(県指定)・垂水区の転法輪寺の原生林(県指定)や北区の素盞嗚尊神社の社叢(市指定)・有間神社の社叢(市指定)・中央区の大龍寺の寺叢及び周辺のスダジイ群落(市指定)があります。いずれも社寺林として古くからの植生が守られています。
動物
地域を定めない天然記念物であるオオサンショウウオ(特別天然記念物)は、かつて北区の河川で生息していたことが報告されています。しかし、詳細な調査が行われていないため、現在の生息状況はわかっていません。また、近年では、西区を中心に豊岡市のコウノトリの里公園で繁殖が進められているコウノトリ(特別天然記念物)の飛来が確認されています。
それ以外にも神戸市内では、カモシカ(特別天然記念物)やタンチョウ(特別天然記念物)などの動物が市内の動物園等で飼育されています。